「承認」
「私、元気になるよな」
古田 愛也
2025年2月8日
[古田さん、私、元気になるよな?古田さんどうにかして」そんなふうに心不全終末期の方に言われたことがあります。いわゆる非がんの終末期の方でした。症状は悪化と回復を繰り返し入退院も繰り返されていました。いよいよ安静にしていても症状が出るようになってきており、その方の不安もとても強くなっていました。病状についてしっかりと説明を受け理解はされているはずも、どうにか良くなるはず、きっと元気になるはず、と自身に言い聞かせるように私たちに訴えかけることが多くなっていました。がんと比較すると予後予測も困難で、どのような経過になるのか利用者さん自身も想像がつきにくかったと思います。私たちも同様です。不確かな現実に直面している利用者さんにとって論理的なACPは困難で、希望と現実のバランスをとりながらどのような生活をしたいか、どのような医療を受けたいか対話を続けました。症状悪化に伴う苦痛と不安から何度も緊急訪問を行い、できる限りのケアと不安な気持ちに寄り添い続けました。
最近、「ポジティブ・ケイパビリティ」「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉を知りました。人間の脳は「わからないもの、理解できないもの」に対して本質的に恐怖を覚えます。例えば「死」もそうです。理不尽に人の命を奪う「死」を、理解不可能なものから理解可能なものに落とし込もうとしてきたのが、現在の医学であり宗教です。人間の脳は本能的に安心を求め、その能力を高めるために進化してきました。その能力が「ポジティブ・ケイパビリティ」と呼ばれるもので、何か問題が発生したときに、的確かつ迅速に「解決する」能力です。一方で「ネガティブ・ケイパビリティ」とは『どうにも答えの出ない、どうにも対処しようもない事態に耐える能力』あるいは『性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいることができる能力』を言います。つまり「解決が困難な状況で、脳が本能的に不快と感じている状態のなか耐えられる能力」です。
冒頭の言葉を利用者さんに投げかけられた時、私は言葉に詰まってしまいました。緩和ケアの場面において利用者さんの苦悩に対して解決困難なことは山のようにあると思います。そんな時、私達は無力さを感じます。傾聴が大事と言われますが聴くことへの限界を感じたことも実際あります。利用者さんの抱えている問題を性急に解決しようと空回りしたこともあります。しかし、解決困難な状況でも何もしないのではなく「苦しみと共に過ごしているあなたの時間を、ほんの少し私も一緒に過ごしますね」「あなたの苦しんでいる姿は、私が側でちゃんと見ていますよ」という『承認』が少しでも利用者さんの力になれるように、私たちも動揺せず、逃げずに、寄り添うことを諦めないでいたいと思います。
最近も事業所内でのカンファレンスで、若くして一生障害をもち続けないといけない方の葛藤の表出について話題が出たこともありました。どうにもならない現実に直面した方にどのように寄り添えるか話し合いました。人は一人では生きていけないと思います。ともに歩んでくれる人がいて、自分を見守り続けてくれる人がいるからこそ、苦難の中を歩き続けることができるのかなと思います。私たちもその一部を担える存在になりたいと思うのです。

終末期の利用者さんと話している時、言葉が詰まること、沈黙に困ることもあります。訪問看護リハビリステーションたもつでは、話をきくこと、同じ空間にいること、共に歩むこと等を心がけ支援しています。
訪問看護リハビリステーションたもつ(伏見)では、京都市伏見区、京都市南区、山科区、東山区を訪問しています。あらゆる疾患に対して、24時間365日体制で訪問させていただきます。訪問看護訪問看護リハビリステーションたもつ京田辺 は、京田辺市、城陽市、井手町、宇治田原町、精華町の訪問体制を更なる構築したいと考えています。スローガンではなく、実際に活動できる実績のあるステーションとなったと自負しています。
2025年4月以降の看護師・言語聴覚士・理学療法士・作業療法士を募集しています。在宅看護に興味のある方は募集要項にありますメール・電話にて連絡お待ちしています。楽しく、明るく、質の高い看護を提供しましょう。業者を通さず、ホームページからの直接メールまたは電話での採用を優遇します。遠慮なく連絡ください。6ヶ月後基本給をアップさせて頂きます。(業者を通したときは給与形態・時間給・給与減少・福利厚生が大きく変わります。)
統括所長 西谷 保
古田 愛也
看護師
看護師長
利用者さんが中心であること、利用者さん・ご家族に寄り添い一緒に考える姿勢を大切にしています
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