最期まで自宅で
「意思決定」を支える
えなみ
2026年7月31日
厳しい暑さが続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?訪問先でも空調管理や水分摂取をお伝えしていますが、利用者さんがお変わりなく出迎えて下さるとホッとします。
今回は2年間担当させて頂いたAさんとの関わりをお話しさせて頂きます。Aさんは2年前に抗がん剤治療を終えられ、奥さん、娘さんの熱心な介護のもと、ご家族と穏やかに療養生活を送っておられました。しかし、今年に入り、癌の再発、転移が見つかりました。抗がん剤治療に臨むため入院されましたが、治療の前に感染症になったことと入院環境による心身の苦痛が大きく、「癌の治療はしない」と意思を示され退院されました。退院後も「入院はしたくない」「家に居たい」「癌の治療は絶対しない」と話される一方で、「最期は病院に入院しようかな」と話され、今後の療養場所について迷っておられるようでした。
その間にも、短期間で発熱を繰り返すようになりました。病院の医師から腫瘍マーカーの値は非常に悪くなっており、いつどうなってもおかしくない状態と説明を受けました。Aさんに今後の療養場所の希望を質問すると、「どうしていいかわからへんねん」と混乱されているようでした。その様子から、病状への理解が不足していること、奥さん、娘さんの介護負担を更に増やすことへの申し訳なさを感じました。奥さん、娘さんもAさんが家族に遠慮をして、最期は病院に入院すると話しているのではないかと感じておられました。奥さん、娘さんは自宅で最期まで過ごして欲しい、最期まで介護するという強い気持ちを持っておられました。
娘さんの希望もあり、訪問診療の先生からAさんの思いを聞いてもらうことなりました。事前にAさんの発言や奥さん、娘さんの思いを先生と情報共有しました。先生はAさんの病状や今後の変化に対する疑問や不安に答えながら、「最期を想像することは難しいですよね」と寄り添う言葉をかけておられました。看護師からは、奥さん、娘さんはAさんが希望するなら最期まで自宅で過ごして欲しいと思っていることを伝えました。そして、Aさんは「家に居たい。自然な形で死にたい。」と話されました。その2週間後、Aさんは奥さんの傍で静かに息を引き取られました。奥さんにはなかなか感謝の気持ち伝えられなかったAさんでしたが、Aさんのベッドの下から、奥さんへの感謝の気持ちが書かれたメモが見つかりました。それを読まれた奥さん、娘さんは「出来る限りのことはしたので悔いはないです。」と話されました。
Aさんの迷いや混乱の揺れ動く気持ちに対し、私はどこまで理解出来ていたのか、寄り添えたのかわかりません。ただ、揺れ動く気持ちは自然なことであり、何に迷い、不安を感じているのかを理解しようと努めること、ご本人やご家族、多職種と共に考えながら「意思決定」を支えていくことが大切だと学びました。この学びを、日々関わらせて頂く利用者さんに繋げていきたいと思います。

訪問看護リハビリステーションたもつでは、利用者さんの思い、考えを大切に意思決定できるように支援しています。
訪問看護リハビリステーションたもつは、京都市伏見区・南区を中心に、訪問看護リハビリステーション山科では、伏見醍醐地域、山科区を中心に訪問させてい頂いております。訪問看護リハビリステーションたもつ京田辺 は、京田辺市、城陽市、井手町、宇治田原町、精華町の訪問体制を更なる構築したいと考えています。
あらゆる疾患に対して、24時間365日体制で訪問させていただきます。スローガンではなく、実際に活動できる実績のあるステーションとなったと自負しています。
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統括所長 西谷 保
えなみ
看護師
利用者・ご家族さんの思いに寄り添い、安心して穏やかな生活を送って頂けるように支援すること。
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