最期の場所
思いに寄り添うとは
いのうえ
9月に入りましたがまだまだ暑い日が続きそうですね。水分補給しながら元気に訪問していきたいと思います。
私が訪問看護たもつに入職し早8ヶ月が経過しました。その中で受け持ちをさせて頂いたご利用者様とのことについてお話ししたいと思います。
Aさん80歳男性で、3年前に〇癌と診断されましたがすでにステージ4であり、手術は適応せず、抗がん剤治療を受けておられました。抗がん剤の副作用で味覚障害により食欲が湧かず、食事が食べられなくなっている状態でした。今年の5月に自宅で倒れご家族は死も覚悟されましたが、元気になってきたため再度抗がん剤療法をしようと思っておられましたが抗がん剤も効果なく、余命宣告を受けられました。最後を自宅で過ごすか、緩和ケア病棟で過ごすかと言われ可能な限り自宅での生活がしたいとの思いがあり、自宅へ戻られるタイミングの7月22日より訪問看護が開始となりました。
初めての訪問時に、奥様が甲斐甲斐しくお世話をされている仲の良いご夫婦である印象でした。久しぶりに自宅でお風呂に入り、湯船にも浸かることができて本当に嬉しかったと言って下さいました。食事はなかなか食べられず、準備された食事を2、3口食べては残す日々が続いていましたが、訪問時に「肉が食べたい」「アクエリアスは飲めそう。好きやな」と言われることがあり、奥様に伝えると「すぐに買いに行くわな」と言っておられました。少しづつお二人の話を聞いていくうちに今まで金銭管理など全てAさんが行っており、今後奥様へ管理を依頼しなしといけないことへの不安や自分がいなくなった後大丈夫かなという不安も入浴中に話してくださいました。
そんな中、最終の場所をどのように考えておられるかの質問に対し奥様は「あまり考えたくないですが、病院の方が安心かなと思っています。」と言われ涙ぐまれていました。Aさんも「最後は病院でと思っている。そのほうが家族はしんどくないでしょう」と言われ、息子様たちも同様の思いであるとの事でした。Aさんはいつも家族のことや私たちのことを考えておられ、自分のことは後回しの印象があったため本人の思いはどこだろうと思い入浴中に確認しましたが上手くはぐらかされてしまいました。
訪問時ごとに食事や水分量をお聞きすると、たまに味が分かるようになったし食べられる量も増えてきましたと言っておられました。食事量にムラがありながらも食べられるタイミングで食べられる量を食べている状況でした。
8月に入り少しづつ動くことが困難になり立ち上がり時にふらついたり歩行時にもふらつきが出現し、入浴中にふと小声で「しんどいな。こんなに痩せてしもて」と言っておられました。再度最終の場所はどうしたいか聞くと「病院でええ。いなくなる人間が残る人間にしんどい思いをさせる時間は少ない方がええ。まだまだここで過ごすけどな」とはっきりと言っておられました。自宅にいたいという思いがはっきりと伝わったように思いました。それから1週間空いて訪問した際、かなり痩せておられる事に驚き、体調確認しながら普段通り支援を続け体重測定も行うと約3週間で5kg痩せておられました。ふらつきも強く、最近は倦怠感も強く入浴後すぐに横になっておられました。
緩和の認定看護師へも相談し、思ったよりも短い余命かもしれないとのことで、訪問診療医へも報告し次回訪問時に話をしようと思っていましたが、緩和ケア病棟への入院が決まり現在は入院されています。
入院後奥様へ連絡し現在のご様子を聞きました。「本人はもう一度一時帰宅でもいいし家に帰りたいと言っているが私が限界です。入院の前の日には立てなくなっていたし、固形物も食べられなくなっていたんです。これは看護師さんに言うなって言われてたんですけど」と教えてくださいました。
本当は家にいたいと思う本人の思いをあまり出さず、家族のことを考え病院へ入院することを選んだAさん。本人、家族の思いが違う際にどのように関わればいいのか、どうすれば良かったのかと今も考えています。短い間の担当でしたが、今回の思いや経験を次の機会に活かせられるように、これからも思いに寄り添い生活の場をその人らしく過ごせるようにどうすれば良いか考えながら訪問看護続けていきたいです。

訪問看護リハビリステーションたもつでは、ご本人とご家族さんの想い聞き、寄り添う訪問看護を提供しています。
訪問看護リハビリステーションたもつは、京都市伏見区・南区を中心に、訪問看護リハビリステーション山科では、伏見醍醐地域、山科区を中心に訪問させてい頂いております。訪問看護リハビリステーションたもつ京田辺 は、京田辺市、城陽市、井手町、宇治田原町、精華町の訪問体制を更なる構築したいと考えています。
あらゆる疾患に対して、24時間365日体制で訪問させていただきます。スローガンではなく、実際に活動できる実績のあるステーションとなったと自負しています。
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統括所長 西谷 保
いのうえ
看護師
家で過ごす時間を大切に、今できることはなんだろうと思いながら関わっています。
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