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緩和ケア認定看護師

本人の思いを大切にした意思決定支援

やまぐち

2026年10月22日

―緩和ケア認定看護師として多職種とともに考えた事例―

 医療や療養生活について意思を決めるとき、本人が病状や治療を理解し、自分の希望を言葉で伝えられることが理想です。しかし、理解や記憶に難しさがある場合、本人の思いをどのように捉え、支援につなげるかが課題となります。今回、家族の支援がなく、がんの進行によって通院が困難となった方の意思決定支援について、多職種とともに考える機会を得ました。

 Aさんには自閉傾向があり、病状や治療について説明しても、内容を理解したり覚えておいたりすることが難しい方でした。また、自宅に他者が入ることへの抵抗があり、訪問介護などの支援を受け入れることも容易ではありませんでした。病状の進行に伴い、起き上がることやトイレまで移動することが難しくなり、通院による治療の継続ができなくなっていました。自宅での独居生活が厳しい状況でしたが、家の中に入れてもらえませんでした。担当看護師は、今後の治療や療養場所、急変時にどうしたいのかなど、Aさんの意思をどのように確認し、支援につなげるかどうしたら良いのか悩んでおり、緩和ケア認定看護師に相談がありました。

 相談内容を聞く中で、Aさんは望まないことに対して拒否を示すことはできていました。言葉で希望を伝えることが難しいAさんの意思を理解するうえで、拒否は本人の大切な意思だと感じました。

 そこで、Aさんにできるだけわかりやすいことばで説明を十分に伝え、可能な限りAさんの意思を確認し、多職種で意思決定を支援する必要性を、関わる支援者に伝えました。担当看護師、保佐人、ケアマネジャー、ヘルパーなど、多職種で情報を共有し、今後の療養生活についてAさんも一緒に集まってカンファレンスし、今後について検討しました。

その中で、Aさんは病気や現状に対する理解力が乏しく、記憶を止めておくことが困難で、現状からの総合的な状況判断が難しいことが見えてきました。

一方で、嫌なことは嫌と言えるため、本人が嫌なことや家でできるだけ過ごしたい思いを尊重することにしました。

 本人の表情や行動、拒否を示す場面、その背景にある不安や不快感に目を向けることは本人の望むことや嫌なことを知る上でとても重要です。拒否を単なる非協力的な態度として捉えるのではなく、本人なりの意思表示として受け止め、その人が受け入れやすい方法を探る必要があります。

 また、それぞれの立場から得られる情報を持ち寄ることで、医療機関での様子だけでは分からない本人の生活習慣やこだわり、支援に対する反応を理解することにつながります。安全性や介護のしやすさも大切ですが、本人が大切にしてきた生活や望まないことを拒否する意思を、どのように尊重できるかを考えることが大切です。

結果として、治療を行ってきた病院の受診ができるように、保佐人が付き添って介護タクシーを手配し、主治医の説明の下、治療はこれ以上はできないことを理解されました。

 家での生活も1人では難しいことをわかりやすい言葉で説明し、体調を整えるための入院に同意されました。

 その後、退院後の今後を過ごす場所の検討中をしているさなかに、残念ながら病状の進行で永眠されました。

 緩和ケア認定看護師としての役割は、身体の苦痛を和らげることの他に、本人の理解力や意思表示の特徴に合わせて説明方法を工夫し、医療と生活の両面から必要な支援を考え、多職種が同じ方向を向いて関われるよう調整する役割も担っています。本人の理解や意向を確認しながら、必要な医療やケアを継続できるよう調整していきます。

 この事例を通して、意思決定支援とは、本人に選択を求めることだけではなく、本人が意思を示せる方法を探し、その思いを医療やケアに反映するための過程であると学びました。本人の意思を十分に確認できない場合にも、これまでの言動や生活背景を手がかりに、関係者が協力して本人にとっての最善を考えることが求められます。

 今後も、本人の言葉だけでなく、日々の反応や行動にも目を向け、一人ひとりの尊厳を守りながら、その人らしい生活を支えられるよう、多職種とともに意思決定支援に取り組んでいきたいと考えます。

訪問看護リハビリステーションたもつには、緩和ケア認定看護師が所属しております。利用者さんの尊厳を守りながら、必要な医療やケアを継続できるよう支援に取り組んでおります。

 訪問看護リハビリステーションたもつは、京都市伏見区・南区を中心に、訪問看護リハビリステーション山科では、伏見醍醐地域、山科区を中心に訪問させてい頂いております。訪問看護リハビリステーションたもつ京田辺 は、京田辺市、城陽市、井手町、宇治田原町、精華町の訪問体制を更なる構築したいと考えています。

 あらゆる疾患に対して、24時間365日体制で訪問させていただきます。スローガンではなく、実際に活動できる実績のあるステーションとなったと自負しています。

 2026年11月以降の看護師・言語聴覚士・看護師・療法士を募集しています。在宅看護に興味のある方は募集要項にありますメール・電話にて連絡お待ちしています。楽しく、明るく、質の高い看護を提供しましょう。業者を通さず、ホームページからの直接メールまたは電話での採用を優遇し、5万円の就職祝い金を支給します。また、6ヶ月後基本給をアップさせて頂きます。

                           統括所長 西谷 保

やまぐち

  • 看護師

  • 緩和ケア認定看護師

利用者とその家族の思いを聴き、その思いをできるだけ叶えられるよう、共に考えること。

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