生きがい
ひ孫という名の薬
石川 梢
2026年6月26日
一人暮らしをされている80代の女性A様。過去に3回脳梗塞を発症されている。3回目の入院時、医師から「次に脳梗塞を起こす可能性も高く、そろそろ一人暮らしは難しいのではないか」と息子様に話があったそうで、本人様は後からそのことを聞き、「息子に心配をかけたくないから、息子の家の近くの施設に入った方がいいのか。でも、友達もいるこの自宅でもう少し頑張りたい」と、施設入所への葛藤を抱えながら深く悩まれていた。
自宅ではヘルパーによる買い物や掃除の支援を受けつつ、在宅生活を維持するために訪問リハビリも利用されている。しかし、「こんなに頑張ってリハビリをしても病気には勝てない」「できるだけ自分でやりたいけれど、脳梗塞がまた起きるのが怖い」と、病気への恐怖や不安から気分がひどく落ち込まれていた。「生活自体が楽しくない。外出するのもこれが最後かと思うと、買い物に行っても涙が出る」と涙ぐまれ、昨年4月に生まれたひ孫様にも「こんな体では会いに行けない」と大変辛そうな表情をされていたのが印象に残っている。ゴールデンウィークが明け訪問するとこれまでにないほどの笑顔を見せられ活力がみなぎっているようなご様子。お話を伺うと、今年のゴールデンウィークに大きな心境の変化があったとのこと。
息子様に乗せてもらい、ひ孫様のご自宅へ行かれたそうで1歳になったひ孫様がよちよちと一生懸命に歩く姿を見つめ、覚えたての言葉で「バーバ、バーバ」と笑顔で近寄ってきてくれた。そしてA様の膝の上にちょこんと座って楽しそうに過ごしてくれたという。「このひ孫が大きくなるまでに私も一緒に散歩に行きたい、ひ孫がしっかり歩けるようになるのと、私がもう少ししっかり歩けるようになるのと、どっちが早いかしらね、毎日がとても楽しくなってきたわ」と話をお聞かせてくださいました。
担当させていただいて丸2年になるが、これほど前向きな発言や生き生きとした表情を拝見したのは初めてのことで、私まで胸が熱くなり、本当に嬉しい気持ちになりました。
病気に対する不安が完全に拭えるわけではない。しかし、病を抱えながらも「やりたいこと」や「生きがい」を見つけることが、いかに生活の原動力になるかを改めて実感させられた。 これまでは「大まかに元気で過ごしたい」という目標だったが、ひ孫様という明確な目標ができたことで、利用者様の行動や毎日の楽しみ、食生活への意欲など、すべてが良い方向へ変わるきっかけとなった。
ケアマネジャーとしてのサービス調整は、単に生活を維持するだけでなく、本人様が「やる気」になって望む生活を支えるためにあること、その大切さを再認識させていただきました。そして、本人様の輝く姿が周囲の家族を笑顔にし、ひいては私自身の仕事のやりがいにも繋がっているのだと感じました。

ケアプランセンター京田辺では、「一緒に散歩に行きたい」等という明確な目標に向かって支援体制を整え、笑顔のある生活を支援しています。
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統括所長 西谷 保
石川 梢
介護支援専門員
介護福祉士
管理者(京田辺)
主任介護支援専門員
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